ベッドの嘆き・・・?


この家の主達が仕事に出かけると、たちまち騒がしく囁き合う。

この主達と勝るとも劣らない部屋中の物達もらぶらぶである。

だが、寝室に在るベッド達は同じ部屋にいてもお互いに

触れることが出来ないのである。

そんなある日、岩城マットレスと香藤マットレスが、

仲良くベランダに並んで日向ぼっこをしていると、

岩城マットレスさんが気持ち良さそうに、うとうとしかけると、

香藤マットレスが、岩城マットレスに小さな声で囁く、

『ねえ、岩城マットレスさん、俺たちこんな時でないと、一緒に居られないね』

『え?…何か言ったか?…』

『もうー、岩城マットレスさん、たら…俺たち何時も一緒に居るけど

離れているから…こんな時でないと側に居られないんだよ、判てる?』

はぁーと、溜息をつく香藤マットレスである。

そりゃー、確かに昨夜は岩城マットレスさんは大変だったよね。

俺たちマットレスはそんなに大きくないから、大きな男二人を支えるのも

大変なのに、香藤は久し振りだとか言いながら、岩城マットレスさんの

上で、暴れていたからね、岩城マットレスさんが草臥れるのも判るけど…

もう少し俺の事も気にして欲しいなぁーと一人ぶつぶつ言っている。

もう少しであの部屋に戻されると、暫くは肩を寄せ合えないから…今しばらくは

この一時を、肩を並べて居たいと思う香藤マットレスである。

岩城マットレスが、ぽっりと、一言漏らした。

『あの岩城さんが俺たちをココまで運んだんだよなぁー・・・

あんなに、激しかったのに、腰大丈夫なのかな?…

何時もは香藤が俺たちを運ぶから、余り気にならないけど…』

香藤マットレスはそんな岩城マットレスに、

『もう少し俺の方に凭れても良いよ、疲れてでしょう』

春の陽射を浴びながら二人のマットレスも昼寝をしだした.。




2006年3月12日
kazさんにムリやり送りつけたssです。


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