焔


お前と別れて・・・・もう何年経つのだろう・・・

こうして、水辺に来ると・・・あの日の事が・・・浮かんでくる。

父達と離れて・・・自分の想うままに・・・と、後悔はしていない。

何時の世も・・・こうして時代が変わって行くのだから・・・・

あいつ・・・草加が帰って来るまでに少しでも俺たちが想い描いた理想に近づけたい。

この空の下を笑顔で歩きたいと・・・想うから・・・・・

俺の知らない異国で・・・・苦労をしているのだろうか・・・色んな事を学んでくると力強く言った草加・・・・

根を詰め過ぎて目の下に隈を作っているのかも・・・・


俺も・・・・・・草加と再会した時・・・・恥ずかしく無い様にと・・・時間が許す限り書物を読んだりしているが・・・

時代は流れている・・・この川の様に・・・決して穏やかな流れの時ばかりではいが・・・・

草加・・・・・覚えているか・・・俺がお前に言った言葉を・・・川は海へと流れゆく・・・止まる事無く・・・




草加・・・

こんな時代で無かったら・・・あのまま色んな事を語り合っていただろうか・・・

今は・・・この一時を誰の邪魔されずに・・・

今・・・・お前の事を思い出しても・・・お前は・・こんな俺を見て笑うだろうか・・・

お前が俺の身体の奥に点した焔は消える事無く今も・・・揺れている・・・・




これが、宿命だとしらた・・・




責めてこの想いを笹舟に乗せて流そう・・・・

風の様に・・・この川の水の様に・・・お前の所まで・・・・


無理な事を今更・・・・



草加・・・・俺の焔は・・・消えていないから・・・・











秋月さん・・・・

今・・・草加の・・・声が・・・聞えたように想ったのは・・・空耳


今この時だけ・・・少しだけ・・・思い出しても・・・良いだろう

笑うなよ・・・草加・・・


一時だけだから・・・・約束は忘れていないから・・・


お前が点けた焔・・・・蒼く揺らいでるから・・・・

今は・・・ただの独りで・・・ここでお前を・・・・




笹舟よ・・・・

馬鹿なことを・・・・



流れて行きな・・・








草加が帰って来るまで・・・に・・・

俺たちが願った時代に成って要る様に・・・


もう直ぐあの季節が来る・・・・


消える事のない焔・・・お前が点けた・・・・

静かに燃えている・・・


今・・・お前は・・・何を想っている・・・

笑っているだろうか・・・

慣れない事でも・・・お前なら・・・・きっと・・・なじんで・・・貪欲に色んな事を学んでいるんだろうな・・・・


少しでも・・・お前に笑われないように・・・・・

今夜はお前の夢を見たい・・・・あの楽しかった日々を・・・


そんな俺を・・・こなん事を想う俺を知ったら・・・お前は声をあげて笑うか・・・・

この太陽のようで・・・ま直ぐなお前・・・だから・・・魅かれた・・・





俺の心に深く残した焔・・・決して捨てる事出来ない・・・お前が燃やした焔だから・・・・・

俺も願った・・・・お前の腕の温かさは・・・消えていないから・・・



今・・・・もう少しだけ・・・ここで・・・お前の事を思い出しても良いだろう・・・・




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2006/8/29